2014年9月1日月曜日

研究室紹介:CLC腫瘍学/分子遺伝学(消化器)

自宅からスーパーまで歩いてたった5分だった東京が懐かしいです。
ポパイです。
自炊経験を通じて、お米の研ぎ方に関しては自信を持てるようになってきました。

さて、ブログに大量投稿しているマヨネーズ笑に同じく、研究室の紹介をしようと思います(マヨネーズが書いてくれた研究室紹介もご参照ください)。

私は、以前にも書きました通り、チリ内でも有数の私立病院CLCにある研究室に所属しています。

マヨネーズが所属しているのは、CLCの腫瘍学/分子遺伝学の研究室の中でも泌尿器が専門の研究室ですが、私は消化器が専門の研究室に所属しています。

以下、研究室の様子と研究の進捗状況についてご説明したいと思います。

今回は、今までの私の記事と違って写真が少なくて文字ばかりですが、ご了承ください…。


研究室の様子

私の研究室には、指導教官が1名(Aさん)と、手技に関して教えてくださる先生1名(Bさん)がいらっしゃいますが、どちらも英語があまりできません
これは後輩のみなさんのためにもお伝えしておかなければいけない事実だと思います。
正直なところ、Aさん、Bさん、私の3人の中で、私が一番英語ができると思います。

特に、Bさんは親切に手技に関して教えてくれますが、本当に片言の英語(しかもチリ訛り)しか話せず、平気でスペイン語で話してくるので、スムーズに研究を進めていくためには、研究用語もスペイン語を少しずつ覚えざるを得ません。



また、Aさんも、CLC組が所属している研究室の指導教官の中では、一番英語が話せません。
こちらの先生も発音のチリ訛りがひどい上に、しばしば英単語が思いつかないため、英語ができる指導教官に英単語を聞くこともよくあります。

チリ訛りに関して一番印象的だったのは、先日Bさんに「ウォッチュ 3 times」と言われ、「ん?watch 3 times ということか?」と思ったのですが、「3回見ろ」というのも意味がわかりませんし、よくよくプロトコール(実験の手順書)を見てみると、それはwash 3 times のことでした笑(←いや、笑えません)

慣れてきたら特に気にしなくても済むようになりますが、それでもチリ人の英語のチリ訛りはなかなか癖があります。

そのような環境の中でもくじけず、片言の英語で説明されたことを自分で要約して、それを先生に説明し直すことで、自分の英語の表現力を高めようと努力しています。

雰囲気に関していえば、普段は先生方も自分のお仕事でお忙しいのですが、雑談をすると非常に楽しく話を広げてくれます。
私の指導教官であるAさんとonちゃんの指導教官(Cさん、Dさん)は大変仲がよく、一緒にしゃべっていると本当に楽しいです。
特に、Dさんは英語が問題なく使える男の先生なので、とても話がしやすいです。

今月10日にはCLCの感謝祭のようなものがあるらしく、非常に楽しみにしています。


研究の進捗状況

先輩方がやっていなかったテーマをやってみたかったので、チリ大の研究室と迷いましたが、一番テーマに惹かれたこちらの研究室を選びました。

研究内容としては、簡単にいうと、あるホルモンを使った大腸がんの新しい治療法に関する研究です。

今回私が参加させていただいているのは、プロジェクトの最初の1年目で、下準備的な側面も強いですが、テーマに興味がある分、楽しんで研究生活を送れています。

6月から研究生活が始まりましたが、はじめのうちは実験器具に触ることもなく、ひたすら論文や研究手技の説明書をインターネットで探してそれらを読み、研究の地力をつけていました。
それらを参考にして自分の研究のプロジェクトを英語で書く日々が、2週間以上続きました。

「早く実験させてくれないかな」と何度も思いましたが、「論文をたくさん読むことが大事だ」という教えを守っていろいろな論文を読んでいると、いかに自分がその研究テーマに関する事項について無知であったかを思い知らされました。

必要に応じて、学部の授業で習ったことの復習もしました。
というか、復習をせざるをえなかったのです。
やはり忘れていることがたくさんあります…。
ヤバい…。

さて、話を戻すと、6月の末から薄切という手技を習い、それを実践していきました。
薄切というのは、パラフィンで固定された標本を、専用の器具を使って薄く切る手技です。
「なんだ、標本を薄く切るだけじゃん」と思ったそこのあなた、甘いです。
平行に切るに至るまでの器具の調整も難しいですし、標本をきれいに切るのも一筋縄ではいきません。
研究手技として同じく薄切を行うonちゃんと一緒に、薄切室で「あーでもない、こーでもない」と言いながら、今でも薄切の練習を行っています。
練習あるのみですね。

薄切の様子

7月からHE染色、8月からは免疫染色を行っています。
薄切した標本について実際に情報を得るために、目的に合わせた染色を行います。
これはどちらかというとプロトコールに従う割合が大きいので、練習用のサンプルを使って染色を行うこと自体は、そこまで大変ではありません。
しかしながら、実際に染色した標本を顕微鏡で見てみると、そこにはしわができていたり、染色が薄かったりと、いろいろな問題が出てきます。
LACRCの先生方に何度もアドバイスを請いに伺い、自分で注意点をまとめています。

染色した標本を封入している様子

そして、つい最近からBさんについてWestern Blotting を勉強しています。
Western Blotting とは、サンプル中のタンパク質を検出する方法です。
これを行うことで、目的としているタンパク質がサンプル中に含まれているかどうかがわかります。
そして、今週から、このWestern Blotting に加えて、qPCR という遺伝子発現の定量解析に用いる手技も勉強し、自分ひとりで実践することになっています。

英語という面からするとCLC組の中では一番恵まれていませんが、研究手技という面では一番多くのことをやらせてもらえている研究室です。



久しぶりに(初めて?笑)真面目なお話を書いてきました。
コミュニケーションという面ではなかなか大変な思いをしていますが、これからも研究活動に真剣に取り組んでいこうと思います。
ではでは。

ポパイ





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