2014年8月19日火曜日

研究室紹介:CLC泌尿器

つけ麺よりラーメン派ですが、どちらも恋しいです。マヨネーズです。
旅行の紹介の流れをぶったぎって、今日は研究室の紹介をしようと思います。

私はCLCの泌尿器の研究室で、前立腺癌のマーカー、PSAに関して研究をしています。
具体的には、PSAをコードする遺伝子の変異に関する内容です。

ポパイによるCLC紹介の記事がありましたが、私の研究室は他の二人と同様、こんな建物の中にあります。
元は民家


CLC組は、担当教官と実験内容が違うだけで、基本的には一緒に行動します。使う実験室や実験の器具も共通です。これがチリ大との大きな違いです。
これにはメリットとデメリットも感じています。
CLCのメリット:安心感があり、地域的にも安全。困った時の対応が楽。
CLCのデメリット:日本語を使う機会が多い(留学感がうすい)。

今回の私のテーマは、6人の派遣生の中でも理解しやすく手技も少ないテーマです。手技はDNA抽出とPCRだけで、サンプル数が多いものの繰り返すだけでよく、かなり簡単です。例年の先輩方の内容よりも手技が少ない気がしています。実験終了後に、得られた結果から他の小さなテーマで実験が行えないかな、と思っています。いまのテーマは、PCRしたサンプルを外注でシークエンスして、その結果を考察する、という内容です。
もともと、CLCのラボはCLCで得られたサンプルからDNAを抽出しPCRまでは行い、染色やシークエンシングは外注で行う、という形だったそうです。今は染色などは行える設備があり、他の2人は染色を毎日行っています(あとで紹介があると思います)。しかし生物実験や細胞培養をできる設備はありません。チリ大は研究室によってはあると聞いているので、これはCLCとの大きな違いだと思います。後輩には是非、渡航前にこのことを知っておいてほしいと思います。


研究室のカラーとしては、厳しさはあまりありません。先生の指導も、最初に手技を教える程度で、基本的に自分のスケジュールは自分で管理してほしいと言われました。デスクワークは家で行う、頑張って実験をすすめたら休みもとってよし。こんな特色の研究室です。

泌尿器の研究室のトップの先生は研究の企画をするだけで基本的に研究室はいらっしゃらず、私の指導教官は女性の研究員です。英語が比較的流暢(CLCの研究室の中ではトップレベル)なので、研究計画から雑談まで問題なくコミュニケーションをとることができます。先生は質問や疑問に対しては丁寧に応じてくれます。英語で研究に関して議論をしたりと、英語を使う環境としてはいい研究室だと感じています。
また、彼女はかなり「チリ時間」で動いており(月曜日にやろう、といったことが水曜まで待たされて暇をしたり・・・)、また機械を他の研究員が使っていて半日手技ができなかったり(あまり使用表などを作らないので行ってみないとわかりません)します。そのため、この研究室でうまくやっていくためには、突然できた時間に、自分で論文を読んだり臨床の勉強をして思い出したり、と、受け身でスケジュールを作ってもらうのではなく、自分で手技以外のTO DOを整理する能力も必要だと思います。
彼女の下には、他にも同い年くらいの研究員がついています。しかし、彼女たちは基本的に英語を使わないため、昼ごはんの時には一人でスペイン語を右から左に聞きながすことしかできません。ちょっと悲しいので、帰るまでにもう少しスペイン語をがんばりたいと思います。
CLCの昼ごはん


実験は毎日9時から5時くらいまで行っています。5時には研究室が施錠されてしまうので、それ以上遅くなることはありません。
実験の他に、金曜日には臨床ミーティングに参加させていただくこともあります。
スペイン語で行われているので内容はなかなか難しいですが、疾患名は英語と共通することもあり、画像と、担当教官の解説も併せてどうにか流れは理解して・・・いると思われます。
ミーティングでは製薬会社が最初に、会社の商品についてプレゼンをします。その代わりに軽食を提供しているそうで、先生方はミーティングの後に昼食の時間を割かずに仕事を続けることができます。

私のチリでの研究生活はこのような形です!
発展途上国で研究ということがどういう形になるのか、どんな障害があるのか不安でしたが、確かに日本と比べて設備や知識は劣っているものの、私立の高級な病院のラボということで、特に大きな問題を抱えることなく、英語を使うという目標も達成しながら研究できています。むしろ、途上国にいるということを忘れてしまうような近代的な空間です。
でも、一歩地区から外に出るとまだまだこの国は違う様相をみせます。ハイクラスのためではない病院の内部を見て、チリの医療の実際をもう少し見たいな、と思っています。


それでは、Nos Vemos!



0 件のコメント:

コメントを投稿