2014年9月14日日曜日

研究室紹介 ~チリ大 微生物学分野~


パスカルです、こんにちは。

近頃は駅で爆弾が爆発したり、爆弾予告(?) が出されたりとなかなか物騒な世の中です。どうも9月11日のクーデター記念日が関係していたようです。チリ組は皆無事ですのでご安心ください。そちらについてはまた後ほど別に触れたいと思います。とりあえず日本の安全さが恋しくて仕方ない日々です。笑

もうプロジェクトセメスターも折り返し地点を過ぎ、チリでの生活も残すところ2か月半になりました。光陰矢の如しとはよくいったものです。

今回は今更ながらではありますが、私の通う研究室の紹介をしようと思います。


Universidad de Chile Programa de Micologia y Microbiogia


私パスカルが通う研究室はチリ大(Universidad de Chile)の微生物学分野(Programa de Micologia y Microbiologia)に属する研究室の一つで小児感染を扱っている研究室です。テーマはピロリ菌。去年か一昨年まではポリオを扱っていたようです。チリ国から資金(FONDECYT)をいただいて研究しているとのこと。教授も確かに日々お忙しそうで、それこそ世界中を走り回っていらっしゃいます(本当に出張が多いのです…!)教授の専門が小児感染ですので、ピロリ菌とはいっても小児における感染に関して扱っています。

研究室にて
(どうしてこういうときにパーカー着てるんだ私w)


微生物学分野には他にも何人か教授がいらっしゃり、それぞれの先生の下に研究室があり、それぞれ異なるテーマで研究を進めているようです。


研究室の雰囲気はアットホームで優しい方ばかりです。
メンバーは大体8人くらい。O教授はいらっしゃるとしても教授室で、ご多忙のため週1のラボミーティングでメンバーの進捗状況を把握するようになさっているようです。研究面の責任者(スーパーバイザー)のHはだいたい下の階のオフィスにいるので日に2,3回しかお会いしないです。研究室自体に常駐しているのは秘書さんのXと研究員のN、大学院生のAくらいです笑 他にも研究員の方や情報処理専門のアメリカ人の方、サンプルを持ってきてくださる看護師さんなどがいらっしゃいます。教授はもちろん、前述の大学院生、秘書さん、スーパーバイザー、研究員Nは基本的に英語が通じるため、コミュニケーションにはあまり不自由することなく過ごせています。指導教官であるO教授はアメリカで留学なさった年数も長く、きれいなアメリカ英語をお話しになられます。

先日研究室のメンバーでお昼を食べに行ったときの写真です


こちらに来て思ったのですが、チリ人は想像していたほど背は高くないですね。むしろ日本と同じくらいかそれより低いかもしれません。日本の中でもかなり低身長人口に属する私からしてもそこまで首の角度を傾けなくても会話が出来ますww もっと細かくいうなれば、Las Condes(高級住宅&ビジネス街)からCentro(旧市街)に向かうにつれ平均身長が低くなっているような気がします…。収入と関係があるのか、それとももともとの祖先の差なのか…なんとも言えません。



研究テーマは前述の通り、ざっくりというとピロリ菌の小児感染です。細かいことを書いてしまうと機密にふれてしまいそうなのと、私の発表することがなくなってしまいそうなのであまり触れないでおきます。笑

基本的には感染児やコントロールからのサンプル(糞便や血液など)を使った実験を行っています。サンプルからのDNA抽出に始まり、DNA定量、real-time PCRなどを行っています。作業も慣れてしまえばコンタミ(と結果)以外に心配することはほとんどないように思います。

最初の2か月はテーマ(つまりピロリ菌)に関する理解を深めるために論文を読み、必要手技の練習を兼ねて他の研究員さんの実験をお手伝いするという形でした。後半に入ってからは簡単な実験を計画書を作成する段階から行い、自分でスケジュールを立てて実験を行っています。機械やスペースの都合の関係で、自分がずっと実験し続ける、ということはできませんので、扱う全てのサンプルについて同じ条件で実験を行えるよう、周りの方の予定も鑑みつつ計画を立てていく必要があります。

実際に研究の手技を教えて下さるのは研究員の方と大学院生Aでした。特に研究員の方は英語が堪能ではないため、お互いの意思疎通を図るには多少の壁が立ちふさがります。彼も専門用語や書かれた英語は分かるので、疑問に思ったらその場でゆっくり話して確認をとるようにしています。このような形で研究員の方々とコミュニケーションをとっていると、英語にしても日本語にしてもお互いが特に苦労することなく意思疎通を図れる言語があることの有難さ、そしてお互い母国語でない言語で意思疎通を図ろうとするときには、相手の英語が多少おかしくても何が言いたいのか類推して理解しようとすることやこちらから何かを伝えるときにはわかりやすいようにゆっくり、簡易な言葉を使って伝えることが大事なのだということを痛感させられます。こちらの英語が堪能でない方が話す英語は面白いもので、スペイン語の文法をそのまま単語だけ英語にして当てはめたような話し方をなさる時が多いです。スペイン語では主語を省略しても動詞の活用だけで主語の見当がつくためか、主語の抜けた文で話したり、形容詞が名詞の後ろに来たりなど、文法の違いがよく反映されています。しかしながらそのような英語をずっと聞いていると私までその英語が移ってしまいそうなので少々不安です。

週1でラボミーティングがあり、前述の通り、教授が研究室メンバーの進捗状況を把握することが主な目的となっています。言語はスペイン語とときに英語、というところでしょうか。こちらに来た当初は全く理解できなかったこのミーティングですが、専門用語はスペイン語も英語に似ているので少し拾えるようになり、数字や簡単な言葉はなんとか、そして教授のなさる質問などから話の流れを類推できるようになってきたようになったと思います…。途中途中で概要を英語で教えて下さる教授とアメリカ人の助手さん(?)の優しさに本当に感謝です。



チリ時間のランチにはやはり慣れなくて結局いつも日本時間にお弁当を食べていますが、研究室という意味ではかなり恵まれていると思います。チリの習慣などについてお話を伺うことも多いのでできるだけ多くのことを残りの期間でも吸収できたらと思います。


ぱすかる

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